こんにちは。
㈱マルワ企画です。
福島県の不動産屋です。
この度台風19号で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
現在この記事を書いている時点で亡くなられた方の数が一番多いのは福島県であるとニュースになってます。
面識がある方に限っても、相当数の方が床上浸水などの被害に遭われてます。
安否確認や商談中の物件の件でバタバタしておりまして、で、今更ながら記事を書いていきます。
ごめんなさい。
今回の記事、既にお家を購入した方向けの内容です。
僕なんかが頑張って下さいなんて言うまでもなく皆さん頑張ってて、そんな中で、微力ではありますけど復旧・復興のお手伝いになればいいと思って記事を書きます。
あくまで不動産屋としての意見です。
参考になる部分があれば今後の行動に取り入れて頂ければと思います。
[目次]
1.今すぐにやって頂きたいこと
ⅰ 被害状況を記録&連絡する
今回浸水の被害に遭われた方はまず加入先の保険会社に連絡して、その後被害状況を記録して下さい。
水災保険に加入していればその被害規模を基にして保険金が支払われますし、今後公的援助を受ける際の参考にもなります。
スマホ等で以下の写真を撮って頂くのが分かりやすいかと思います。
✔ お家の全体像
✔ 壁に残った浸水の跡
✔ 基礎及び床下断熱材の状況(床下点検口)
✔ 浸水した家具や電化製品
✔ その他、浸水被害に遭った全ての部屋
注意して頂きたいのが、土砂災害などが発生している、もしくは今後発生が予想される地域にお住まいの方。
立ち入りや近づくのが危険な場合は後回しにして下さい。
大前提として、自分の身を守るのが最優先。
今週末また東北で大雨が降るらしいです。
どうかお気を付けて。
ⅱ 感染症対策
復旧作業の最中、一刻も早く元の生活に戻りたいというお気持ち、よく分かります。
僕もそうでした(東日本大震災時)。
しかし、焦って怪我をしてその傷口からバイキンが入ったりすると元の生活は遠のきますし、身体と心が疲労している時には免疫力も低下します。
マスク、ゴーグル、手洗い、うがいは勿論、復旧作業中の怪我や疲労には十分気を付けて下さい。
浸水した地域に残った土砂や泥には浄化槽などから溢れた汚物等が含まれています。
そうした土砂や泥が砂塵となって舞っている地域、大変に多いです。
僕もゴーグルを付けていなかった所為か、右の目尻がものもらいの様に腫れあがってしまいました。
怪我をしないように焦らず行動して、ちょっと疲れたなと思ったら無理をせず休息を取って下さい。
ⅲ 床下点検口の開放
床の下に断熱材の入っているお住まいは多いかと思います。
スポンジのような材質なので、水や泥を吸った状態のまま放置すると今後カビや腐食の原因になりかねません。
点検口を開放して乾きやすい状態に保って頂くのが良いです。
2.今後やって頂きたいこと
ⅰ お家の登記識別情報(権利証)や売買契約書等の確認
浸水した際に濡れて捨てようと思っている書類、その中に不動産の権利証(登記識別情報)や売買契約書等がないか確認して下さい。
絶対に捨てないで下さい。
今後お家を売る、あるいはお子さんに残す際にとっても重要な書類です。
✔ 登記識別情報(権利証)
⇒お家を売る時に必要な書類です。
これを紛失すると売却時に余計な手間と費用が発生します。
また、第三者の手に渡ると悪用される危険があります。
絶対に捨てたりしないで下さい。
また登記識別情報の一番下の部分、袋とじの状態になっています。
これについても絶対に開封しないで下さい。
✔ 売買契約書等
⇒これはお家を売った後に必要です。
「お家を買う時にいくらかかったか」が分からないと売却時の利益に対して大きく課税される場合があります。
売買契約書(注文住宅なら請負契約書も)の他に、仲介手数料等の領収書も大事に保管して下さい。
ⅱ 壁の材質の確認(石膏ボードか否か)
家の内壁が石膏ボードの場合、リフォームする際に取り除く必要が出てきます。
安くて丈夫な素材ではありますが、水に弱いという弱点も抱えています。
浸水箇所に石膏ボードが使われている場合カビや腐食の原因になりますので、まずは施工業者に確認してから修繕計画を立てて下さい。
ⅲ 行政のアナウンスを注視する(罹災証明書の発行など)
修繕計画を立てていく中で大きな問題は資金の調達です。
東日本大震災時には罹災証明書の発行によって公的な援助があったり、あるいはかなりの低金利で金融機関からの融資を受けることが出来ました。
今後、行政から何らかのアナウンスがあると思いますが、お住まいの市区町村がどんな復旧・復興の計画を立てているか注視して下さい。
ⅳ 災害時の便乗詐欺(リフォーム詐欺)などに注意する
これは千葉県の台風被害時の教訓。
災害時に相場とかけ離れた費用、あるいは全く意味のない修繕を持ちかけてくる業者が出てきたそうです。
被災したご自身は勿論、高齢のご両親と別居されている場合は注意を促してあげて下さい。
3.これだけの被害、どう考えても長期戦になります
最後に。
これだけの被害なのでどうしても長期戦になってしまいます。
恐らく来週からお家の修繕に着工できますって業者さんは多くないはず。
「気長に」とか「心を強くもって」とか偉そうなことは何も言えないけど、どうか乗り越えて欲しいです。
悲しいことに、こうした状況だと弱みに付け込んで悪さしてくる人が必ず出てきます。
そんな人に負けない為にも長期戦になる覚悟を持って頂きたいです。